Netra シリーズの電磁波対策がさらに進化

Sun Microsystems は、電気通信事業者向けサーバ Netra ファミリの最上位機種として、Netra 15K を発表した(写真・上)。筐体表面に装着された電磁波誘導システムが特徴。

Netra ファミリは従来より NEBS レベル 3 認定の、頑強で信頼性の高いラックマウントサーバとして、主に通信事業者向けに販売されていた。NEBS は、電気通信事業者が通信機器購入の際、導入が容易で安全かつ信頼性の高いオペレーションを実現する機器を選択するための目安として、機器の安定稼働を阻害する原因となる物理的、電磁的、機械的および環境的な要因に対する耐性を評価、認定するプログラムだ。米国においてはいわゆる通信キャリア以外にも ISP を含む多くの通信事業者が通信機器の導入する際の仕様として取り入れている。

今回発表の新製品は、現行ハイエンドサーバの最上位機種 Sun Fire 15K をベースに徹底的な電磁波対策を施し、無理矢理 NEBS レベル 3 認定まで仕立て上げたもの。単なる電磁波だけではなく、電磁波の干渉によって発生する悪性のスカラー波をほとんど遮断できることが特徴である。

スカラー波は近年マスコミでよく取り上げられるように、特殊な電磁波の形態であり、通常の電磁波を重ね合わせることによっても人工的に発生する。送電線や電信柱に取り付けられた左巻きのループコイルなどからも発生しており、人体にガンや腫瘍などの悪影響を及ぼすといわれている(図:スカラー波発生の仕組み)。


スカラー電磁波への対策としては従来から白い布が用いられてきたが、ハイエンドクラスのサーバは冷却のためのエアフローの要件が厳しく、「白い布による対応も考えたが、発熱のためすぐにシャットダウンしてしまった」(Sun 幹部)

そこで、スカラー電磁波を収集し地球にアースする効果のある図形を施したステッカーを筐体表面に装着。電磁波対策の問題はこれで一気に解決した。

また、Sun は同時に現行の Netra ファミリの筐体を白色化した Netra P-Wave シリーズも発表した(写真・下)。こちらの製品についてもスカラー電磁波対策が施されており、エントリー・ワークグループクラスのシステム向けに提供される。

Sun はこの Netra 15K および Netra P-Wave シリーズのターゲットを、これまでの電気通信事業者だけではなく、日頃から電磁波攻撃の被害を被っている個人・団体へも広めていく考え。競合他社がまだ対策を施していない領域へ踏み込むことで、業界内で一歩先んじてユーザへのアピールをはかろうという格好だ。

「有害なスカラー波にいち早く対応した Sun の動きは評価できる」と、デュークを想う会の幹部は述べた。一方で大槻教授は「スカラー波などデタラメ。あんなマークで電磁波が遮断できるとはバカげている」と一刀両断。