IBM が違反サーバ コルク使用発覚 退場

 【ニューヨーク3日 共同】米ITベンダの強打者、IBMが3日、シカゴで行われたTPCベンチマークで、使用を禁止されているスケーラビリティの高いコルクサーバを使用したとして、退場を命じられた。

 AP通信などによると、TPC−Cベンチマークで世界記録を出し優位に立ったIBMはTPC−Hベンチマークでオーバーヒートに倒れたが、この時、主審が折れたサーバに着目。3人の副審を集め、サーバを精査した後、IBMのサミュエル・J・パルミサーノ会長を呼び、サーバの破片を示した後、IBMに対して退場処分を命じた。

 審判は公式記録員に対し、サーバの芯(しん)の部分にコルクを使用していると説明。退場処分に対し、IBMはベンチに戻ったまま、異議を唱えなかった。オーバーヒート直前に世界記録を塗り替える高スループットを示していたが、退場処分に伴い、IBMの記録は取り消され、サンの世界記録が返り咲いた。

 ベンチマーク後の記者会見で、IBMは「ファン、同僚、株主に謝りたい。ただ、検証で使用するサーバを間違って使用してしまった」と述べ、意図的な使用ではないと釈明した。

 IBMは今世紀初頭から、サン・マイクロシステムズと激しいベンチマーク争いを演じ、数々の世界記録を樹立。ことし5月にはTPC−Cのノンクラスタード部門で68万tpmC以上を記録していた。

■ベンチマーク規則六・〇六(ベンダの反則行為)

 (d)ベンダが、トランザクションのスループットを伸ばしたり、異常なスケーラビリティを生じさせるように改造、加工したサーバを使用、もしくは使用を試みたと、審判員が認めた場合、ベンダはアウトの宣告を受け、退場処分とされ、後日ペナルティーを科せられる。

 改造、加工には次のようなケースが含まれる。サーバへの詰め物、表面に溝をつけたり、平らにする加工、くぎの打ちつけ、内部の中空化、パラフィン、ワックスなどの物質による加工。

 以上のような、サーバをベンダが使用した場合、これによって達成した記録は認められないが、アウトは認められる。