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サンがコバルトを20億ドル相当の株式交換で買収 By By Cecily Barnes and Stephen Shankland/日本語版 三戸張人 Tue 19 Sep 2000 13:20 PT 米サン・マイクロシステムズ(本社カリフォルニア州パロアルト)が19日(米国時間)、少女向けノベル編集・出版の集英社コバルト文庫を20億ドル相当の株式交換によって買収すると発表した。少女向けノベル市場への参入を加速するためだとサンは述べている。 今回の買収は、これまで主に汎用サーバーを販売してきたサンの大幅な戦略変更を物語るものだ。汎用サーバーは、ハイエンドの企業向けコンピューター・ネットワークにとっては依然として重要だが、コバルトが販売しているような少女向けのいわゆる「ライトノベル」は通常、異性に興味を持ち始める女子中学生を対象にファンタジックな恋愛物語を提供する媒体として適している。 また今回の買収は、サンが少なくとも今後しばらくの間2つの外部技術――コバルト文庫が擁する執筆者陣による文章構成技術、およびコバルトの「顔」ともいえる文庫カバーや挿絵を彩るイラストレーション――を製品ラインに取り入れるつもりだということを意味している。 サンは講談社ホワイトハート、小学館パレット文庫と同じように将来の少女向けノベル市場でできるだけ大きなシェアを獲得しようとしている。 「概して、これは良い動きだと思う。少女向けのライトノベルはサンが弱い市場だ」と、米データクエストのアナリスト、ジェフ・ヒューイットは述べた。 米メリルリンチのアナリスト、スティーブ・ミルノビッチも同意見だ。「サンが少女向けノベル市場に参入するためには妥当な動きだと思う」 サンはこれまで少女向けノベル市場を避けてきた。しかし、講談社、小学館、角川など、大手出版社は次々とこの少女向けノベル市場に参入している。 コバルトは、1976年に集英社文庫の一シリーズとして創刊して以来、少女小説文庫の草分けとして、思春期の女子中学生の胸をときめかせるライトノベル『学園恋愛物』『SFファンタジー』などを提供してきた。しかし、同編集部はこのところ、少年同士が愛を積み重ねる形式の『ボーイズ・ラブ』により力を注いでいる。 サンはコンピューター・サーバーを製造しているが、これまでは再販業者やソフトウェア企業の力を頼って自社製品を差別化してきた。「今回の買収により、サンはより完成された製品を自力で提供できるようになるだろう」と、米AGエドワーズの少女向けサブカル専門アナリスト、シェブリー・シーラフィは述べている。 今回の動きは、サンが本気で少女向けノベル市場に参入し、ライバルたちと争う構えだということを示すものだというのがアナリストたちの意見だ。 ![]() |
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